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帰り花(かえりばな)
http://sogyusha.org/saijiki/04_winter/kaeribana.html

 「返り花」と書くこともある。歳時記を見ると、江戸時代の句には「帰り花」が多く、昭和に入ってからの作品に「返り花」がちょくちょく出て来る。「帰」と「返」の違いは何か。なかなか難しいが、「帰宅」「帰国」「復帰」などと使われるところを見れば、「帰」は「元のところに帰る、戻る」という意味合いであろう。「返」の方は「返事」「返済」「返還」などと使われるから、「受けた(何かされた)ことを返す、戻す」という意味が強いようである。そうなると、「かへりばな」は明らかに「帰り花」が良いように思えるが、漢和辞典を見ると「返」にも「かえる、もどる」の意味があるとしており、結局、どちらでも良いことになってしまう。

 「返り咲き」「狂ひ咲き」「二度咲き」「忘れ花」などとも言う。これらも含めて「帰り花」の句はたくさんある。ものみな枯れて淋しくなってゆく頃に、ちょっと暖かい日が訪れる。

小春日和である。そんな折りに桜や桃やツツジなどが二、三輪ぽっと咲く。古今の俳人にとって見逃せぬ句材である。山本健吉著『基本季語五〇〇選』(講談社)には、「和歌、連歌には詠題としてはないが、俳諧に到って盛んに作られ出した。元禄、天明の俳人たちは、とりわけこの現象に興趣をもやしたようだ」とある。

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