タイ米と衛生

「インディカ米#日本への輸入」も参照
この不作への対応として、政府は各国に米の緊急輸入の要請を打診した。この打診にタイ政府がいち早く応え、日本側から「取りあえず保管している米を輸出してほしい」と要請し、タイ政府は自国の備蓄在庫を一掃する形で日本国政府の要請に応えている。日本国政府は当初、日本人の味覚に合ったアメリカ産米や中国産米を主食用として流通させ、タイ王国のインディカ米は、日本酒・焼酎・みりん・米菓など、加工用原料として輸入することを想定していたが、アメリカ産米や中国産米は輸入量が揃わず、結局主食用にもタイ米を流通させざるを得なくなった。

しかし、大量に輸入したタイ米は、日本人の嗜好や炊飯器を使用した調理に適合せず不人気で、新聞やテレビではタイ米の本来の調理法や、日本米と同様の感覚で食べられるように工夫する調理法が特集されたが、後述のように衛生問題も報道され、売上は伸び悩んだ。また店舗では、日本産のジャポニカ米とタイ米の抱き合わせ販売が行われたが、それでもタイ米だけを廃棄する消費者が跡を絶たなかった。

その結果、日本国政府は日本米とタイ米のブレンドを推奨し、インディカ米とジャポニカ米とのブレンド米が販売され、苦肉の策で対処した。しかし、一部の国会議員やマスコミ報道にて「輸入したタイ米からネズミの屍骸が発見された」[注釈 1]、「タイ米の米袋から錆びた釘が発見された」などの事例を取り上げ、タイ米不人気にさらに拍車を掛けた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/1993%E5%B9%B4%E7%B1%B3%E9%A8%92%E5%8B%95#%E3%82%BF%E3%82%A4%E7%B1%B3%E3%81%A8%E8%A1%9B%E7%94%9F