「返り咲き」「狂ひ咲き」「二度咲き」「忘れ花」などとも言う。これらも含めて「帰り花」の句はたくさんある。ものみな枯れて淋しくなってゆく頃に、ちょっと暖かい日が訪れる。

小春日和である。そんな折りに桜や桃やツツジなどが二、三輪ぽっと咲く。古今の俳人にとって見逃せぬ句材である。山本健吉著『基本季語五〇〇選』(講談社)には、「和歌、連歌には詠題としてはないが、俳諧に到って盛んに作られ出した。元禄、天明の俳人たちは、とりわけこの現象に興趣をもやしたようだ」とある。

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